大判例

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東京高等裁判所 昭和52年(ネ)2号 判決

更新料が支払われる事例が相当数あることは、当裁判所に顕著な事実であり、更新料支払の合意をしてもなんら借地法に反するものでなく、その効力を認めるべきものである。しかしながら、その金額は一率ではないし、合意がないにもかかわらず、更新料として借地人に対し相当額の金員の支払を強制することまで、一般の借地関係の当事者が認めているかとなると、次のとおりはなはだ疑問である。すなわち、借地人に対し更新料の支払を強制できるのであれば、逆に、借地人が更新料を提供すれば、貸主からの更新拒絶による明渡請求を拒むことができるとしなければ衡平の観念に合わないことになるであろう。しかし、借地関係の当事者が一般にこのような結論を認めているとは、到底いえず、法解釈上もこのような結論は認められない。そのうえ、≪証拠≫にもあらわれているように、貸主が更新料の支払を求め、借地人がこれを承諾しても、その支払方法については一時金で支払う場合もあれば、その後の地代の増額で考慮することもあり、そのいずれか一方に合理性があり、他方にはないということは認められない。そうとすれば、当事者の合意なくして更新料の支払を強制することは、この面でも一般の認識とへだたりがあるというべきである。以上の検討の結果からみると、更新料の支払を事実たる慣習と認めて、その支払を強制することは相当でないのであって、控訴人の更新料の請求は理由がないものといわねばならない。

(松永 糟谷 浅生)

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